「結婚は人生の墓場だ」というセリフを聞いたことがありますが、結婚5年目となる我が家では、いまのところこの言葉の出番はなさそうです。
しかし思い返してみると、結婚直後の幸せな感じがずっと続いているかといわれると、続いているような、いないような。そんなときに、本で以下のような記載を見つけました。
結婚後、夫婦が前よりも幸福に感じる期間は約2年で、そのあとは通常の幸福度、つまり彼らの設定値へ戻っていくだけです。
ソニア・リュボミアスキー. 幸せがずっと続く12の行動習慣 (p.61). 日本実業出版社.
「3年前に幸福度もとに戻っとるやんけ!」と思いながら続きを読んだところ、結婚後の幸福度を長続きさせる方法があるようです。
今回は結婚後の幸福度がなぜ戻ってしまうのか?どうすれば幸福度を高くし長続きできるのか?についてまとめます。
これから結婚を考えている人、新婚の人、夫婦関係をよくしていきたい人に、何かヒントが与えられる記事になっていれば幸いです。
幸福を決定する3つの要因
そもそも幸福とはどのように決まるのか。『幸せがずっと続く12の行動習慣』では、幸福を決定する3つの要因について以下ように述べられています。
50%:遺伝による設定値
→生まれつき幸せにやりやすい人、そうでない人がいる
40%:意図的な行動
→日常生活での行動や考え方
10%:環境
→貧富、健康問題、既婚・未婚、人間関係などの生活環境や状況の違い
50%が遺伝で決まっているのも驚きですが、環境要因が10%の影響しかないのも驚きです。お金をたくさん稼いだり、高級車に乗ったり、広い家に住んだりしても、幸福度には大きな影響がない。にわかには信じがたいですが、研究結果はそうでているようです。
結婚生活に関しては、結婚して環境が変わるのが10%、結婚生活そのものが40%のところに該当すると思われます。
快楽順応が幸福感を鈍らせる
環境が変わり一時的に幸せになっても、その環境に慣れてしまうことを快楽順応と呼びます。結婚後約2年で夫婦の幸福度が結婚する前の幸福度に戻るのは、この快楽順応による影響が大きいようです。
この快楽順応は、より願望が強くなったり、他の人と比べたりすることが原因で起こります。結婚生活に当てはめると、以下のようなことが該当します。
- 新婚当初はご飯を作ってくれるだけでもありがたいと思っていたのに、おかずの数が少ないと文句を言い始める (願望)
- 近所の旦那さんは頻繁に家族でお出かけしているのに、うちの旦那はうちでゴロゴロしていると不満に思う (比較)
あまり例を考えすぎると、これだけで幸福度が下がりそうなのでやめますが、多くの人が感じている日ごろの不満はこの「願望が強くなる」「他の人と比較する」がほとんどではないでしょうか。
快楽順応を防ぐためには
では、どうすれば快楽順応を防ぎ、結婚生活の幸福度を長続きさせることができるのでしょうか?
『幸せがずっと続く12の行動習慣』によると、「初心を忘れない」「あたりまえと思わない」「感謝を忘れない」を実践することです。正直ラクではないです。
付き合い初めのころは些細なことでお祝いをしませんでしたか?
はじめて作ってもらった料理は感激しませんでしたか?
一緒にお茶する時間がとれるだけでもありがたいと思っていませんでしたか?
お祝いをしたり、感謝したり、デートしたり、夫婦間の愛情を守るために、積極的で創造的な行動をとることは、幸福を決定する3つの要因の40% (意図的な行動)の部分にあたります。
結婚式当日の高揚感や、一緒に暮らし始めた初日のドキドキ感を、5年後も10年後も全く同じように感じることはできないでしょう。もし、こういった10% (環境の変化)の部分に慣れてしまったとしても、40% (意図的な行動)の部分を努力して意識的に活用できていれば、幸福度を高めておくことができるのです。
まとめ
以下、この記事のまとめです。
- 幸福を決定する要因は、50:40:10=遺伝:意図的な行動:環境
- 何もしないでいると、快楽順応のせいで結婚後約2年で幸福度は元に戻る(または下がり続ける)
- “あたりまえ”と思わず感謝の気持ちを持ち続け、40% (意図的な行動)の部分を努力する
牛のつぶやき
幸福度の話は結婚生活に限ったことではないで、育児でも同じように考えられます。人間の快楽順応はすごく強い力らしいので、無理ない程度で抗ってみようと思います。牛だけど。