「なんで勉強しないといけないの?」への私なりの回答

「なんで勉強しないといけないの?」と子供から聞かれたことはありませんか?もしくは、子供のときに同じ質問をしたことはありませんか?

私も子供時代に同じ質問をしましたが、大体返ってくるのは「将来の役に立つから」「最低限の勉強ができないと社会に出たときに困るから」のような当たり障りない内容だったと記憶しています。

うちの息子はまだ2才なので、すぐにこの質問をされることはないのですが、考える機会があったので私なりの回答をまとめたいと思います。

勉強の意義を見出せない人に、何かヒントが与えられる記事になっていれば幸いです。

私なりの回答「人生を深く楽しむため」

もし今後、子供から「なんで勉強しないといけないの?」と聞かれたら、私は「人生を深く楽しむため」と答えます。

考えるヒントとなったのは『夢をかなえるゾウ3』終盤の以下のセリフです。

「自分は、頑張ることで今まで知らへんかった世界を知ったんや。せやから、今まで気づけへんかった世界の素晴らしさにも、気づけるようになったんやで」

水野敬也. 夢をかなえるゾウ3 (p.295). 文響社. Kindle 版.

一生懸命様々なことを頑張った後に、普段の何気ない風景の中に感動するほどの気づきが得られるようになった主人公へ向けた言葉です。

何かを頑張った人だけが気づけること、感動すること、楽しいと思えることが世の中にはたくさんあります。

学校の勉強でも同じです。

歴史が得意な人であれば、普通の人より大河ドラマを楽しめるかもしれません。
国語が得意な人であれば、普通の人より読書を楽しめるかもしれません。
英語が得意な人であれば、普通の人より洋画を楽しめるかもしれません。

もちろん世の中はどんどん便利になり、何も知らない人でも楽しめるエンターテイメントはたくさんあります。しかし、それ以上に知識や経験があった方が楽しめる世界は広く、深いのです。

最近、家族で水族館に行く機会が増えましたが、私はなかなか魚の見分けがつきません。それはそれで楽しいのですが、もしさかなクンが同じ魚を見たら、もっと魚の細かな特徴をとらえて、より楽しめるのだろうなと考えてしまいます。

勉強は世界のすばらしさに気づき、人生を深く楽しむための第一歩だと思うのです。

大人の役割は子供の芽を摘まないこと

ただ正直なところ「学校の勉強はできるに越したことはないが、無理強いさせる必要はない」と思っています。これは学校の勉強が無駄だと言っているわけではなく、子供がもともと持っている知的好奇心や成長する力を潰さない方が大事だと考えている、ということです。

人間は生まれた時からいろいろなことを学び成長する力を持っています。勉強だけでなく、遊びや一見無駄に思えるようなことからも多くのことを学びます。しかし、歳を重ねるにつれてその力がだんだんと薄れていってしまう人がいます。それは少なからず周りの大人の責任だと私は思います。

子供だって人間です。“やれ”と言われたことはやりたくありません。そういった経験が積み重なることで本来持っていた成長する力や、知的好奇心が失われていくのだと思います。

勉強はもちろん大事なのですが、必要なのは押しつけではなく、勉強をしたくなるよう仕組みや、のびのびと遊べるような環境の準備ではないかと考えています。

子どもが子どもでいられない。そんな変な時代は、そろそろやめにすべきであろう。虫採って、アニメ見て、将来の夢を見ていれば、それでいいのである。生きる力なんて、子どもははじめから持っている。それをわざわざ、ああでもない、こうでもないと、ていねいに殺しているのが、大人なのである。

養老孟司; 宮崎駿. 蟲眼とアニ眼 (p.188). 新潮社.

自分の言葉で伝えることを心掛ける

「なんで勉強しないといけないの?」をネットで検索すると様々な意見が見つかりました。とてもためになる情報がたくさんあったのですが、ネットの内容をそのまま子供に伝えるのは控えたいなと思いました。

理由はいくつかあるのですが、一番の理由は自分の本心から出た言葉でなければ子供には響かないと思ったからです。どんなにそれらしいことを言葉にしても、普段の行動から本心かどうかはすぐわかります。

ネットの情報が悪いということではないので、「なぜ勉強しないといけないのか?」について、ぜひ咀嚼して自分なりの回答を考えてみてください。

まとめ

以下、この記事のまとめです。

  • 頑張った人だけが気づけること、感動すること、楽しいと思えることが世の中にはたくさんある
  • 学校の勉強は人生を深く楽しむための第一歩
  • 大人の役割は子供の芽を摘まないこと、育める環境を用意すること

牛のつぶやき

大人になってから旅行が好きになりましたが、そのたびに地理や歴史をちゃんと勉強していればもっと楽しめるのにと思います。何かをするのに遅すぎることはないので、これから勉強していきます。

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